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Kennewickman-51


2012年4月22日。


20キロメートル進み、小さな公園に上陸してテントを張った。


連日の疲労が蓄積してクタクタだった。「何でこんなことをしているのだろう……」という思いがふとよぎる。日本やアラスカへの道筋が遠く霞み、コロンビア川河口ですら「もし行けたら凄い」と思えてしまう。


だがそのような思いを長い旅の途中で何度も味わうだろうことは、計画段階からすでに織り込み済みではあった。また中途半端に疲れている時にそう感じるのだろう。本当に限界ぎりぎりの状態で戦っている時には、馬鹿な行為をしている自分に笑いと快感を覚えているか、まだ生きている喜びを噛みしめているか、泥のように眠っていることを知っている。


丘の上から眺める、西に沈みゆく夕日と東に霞みゆく渓谷が、あまりにも壮麗だった。すでに川を下り始めることまではできたという満足感と相俟って、ここで死んでも本望だとすら思えたる夕暮れだった。

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